死神のお仕事
「あら、奥さん。仕事の調子はいかがですか?私は、ノルマ達成ギリギリで困ってますの。」
「そうねえ…私も似たようなものかしら。」
路地は、世間話や雑談をし合う婦女、ボールなどで遊ぶ子供、上空を徘徊している中年男性などで埋め尽くされている。
特に用事もなかったので、アルフはパッと見ただけで住宅街を後にした。
来た瞬間に胸に押し付けられた『住宅情報』を手にして…。
最後に相談所を訪れる。
五階立ての白い縦長の建物。
入り口に『死神相談所』と赤い字で大きく書かれている。
透き通った自動ドアには、相談にのる内容の紙が貼り付けられている。
『人間関係、仕事、下界の記憶、恋…どんな相談にものります。営業時間は、天界時間で6時~20時。』
「………」
アルフはそこまで読むと、
(私には、あまり関係ない場所だな。)
そう悟り、相談所を後にした。