永遠の花
再会
ここは楓、楓莉の国。
柔らかい草木、温かい気温。
瑠唯や黎の居る国と正反対だ。
まだ日は出ていない。
楓と楓莉は食料や衣服を調達し行った。
今日が瑠唯と楓の出発の日だ。
楓莉が気を利かせたのか
瑠唯と黎を部屋に残していった。
日に当たる黎はいまにも消えそうだ。
その消えそうな髪、肌、唇を
ゆっくりとなぞってゆく。
忘れないように、新しく黎という
人物を記憶するように。
最後に大事なものを扱うように優しく瞼をなぞった…。
これで触れてしまうのも最後なのか
と思った瑠唯。
その時かすかに瞼が反応した。