永遠の花
「さあ、黎。どうぞ?」
黎たちは列車から降りて船乗り場に向かった。
足下が危ないからと楓は手を差し出した。
黎がそ手を取ろうとしたとき
瑠唯が楓の手をはたいた。
意外といい音がしていたので楓はいたかっただろう。
「童顔に触ると不細工な顔が
さらに不細工になんぞ、黎。」
生意気な奴め、黎は腹がふつふつと音を
立てているかのように思う。
「あのねぇ、同じ顔なの。
私の顔が不細工っていうのなら
瑠唯だって同じよっ。」
「俺はガラス細工のようなきれいな顔だ。」
ホントに自己愛が強い。
楓はその横でむっとした顔だ。
「黎は俺みたいな顔が好きなんだけど?」
な、何を言ってんだか…。
どっちかっていうと私は…
な、な、何言ってるの私?
「どっちも好みではないわよっ。」
「残念だなぁ。」
「この顔の良さが分かんないのは可哀想だな。」
イラッとしたことは黎は言わなかった。