永遠の花
「ふっ…。」
寒くて黎は目を覚ました。
黎は周りを見る。
暗い…。ここはきっと塔だ…。
窓は開いてカーテンも開いているのに
なぜか光も入らない。
黒い髪がぬれていたが服は全然濡れていなかった。
「冷たいな。」
濡れた髪をまとめた。
そして黎はもう一度ゆっくりと部屋を見た。
立ち上がろうとした瞬間足首になにかの感覚が…。
重くそして冷たい。
ちゃらりと音が鳴るそれを手に取った。
鎖だ…。
黎をどこにも行かせないために…。
「殺すために。」
「ブーブーですぅ。」
何処からねちっこいがよく耳に通る声が
聞こえて黎は振り返った。
「でも惜しいね、黎ちゃんにはぁ
人間になってもらいたいのですぅ。」
そこには楓理の姿をした掟がいた。
楓莉のではなく紫と黒を基調にした服。