愛する人
✳️✳️期待して大丈夫
目を覚ますと
俺のベッドに頭をつけたまま
眠る紫海さんがいた。
俺は、そっと
手を伸ばし・・・
紫海さんの頭を撫で·······
「どうして······
どうして······優しく······するの?
諦めようと‥‥
忘れようと‥‥‥
必死で·····している····のに·······。」
と、呟いた。
「ごめんね。
傷つけるつもりなんて
なかったの。
私の外見だけを見て
近づいてくる人が多くて、
恋愛に慎重に
なりすぎていたの。
次に、付き合う人とは、
本当に結婚できたら
と、思っているよ。
でも、櫂君と会えなくて
傷つけたんじゃないかと
心配で·······
週刊紙を見て
またまた、心配して·····
気づいたの
私の中で、櫂君の存在が大きく
なっている事を。」
「えっ、それって
紫海さん?
俺は期待しちゃうよ。
それに、櫂君に戻ってる。」
と、言うから
「うふふっ、ごめん。
うん、期待して大丈夫だよ。櫂!」
と、言うと
櫂は、フトンをガバッとかぶってしまい。
「えっ、どうしたの?気分悪い?」
と、慌てて訊ねると
「ちがう!!違う。
あまりにも嬉しくて
顔が緩んでるから
見せたくないだけ。」
と。
「もうっ、心配したから。
ほら。櫂、熱計って。」
と、言うと
フトンから手を出したから
体温計を渡した。
ピピッと音がして見ると
37度5分だった。
「少し下がったね。
良かった。
会社どうしょうかと
思っていたから。」
と、言うから
「えっ?紫海さん
行っちゃうの?」
と、櫂が慌てて顔を出すから
紫海は、可笑しく笑ってしまった。