愛する人
✳️✳️年上
櫂が、休憩の度に
紫海のもとに来て
抱き締めたり、手を繋いだり
するから、
あちこちから、人が集まって
「Kaiの関係者?」
「Kaiの彼女?」
「どこかの専属?」
「どこの雑誌?」
色々聞かれて
山田さんが、その都度答えていた。
そこに、凄く可愛い女の子が来て
「Kaiのお姉さん?
私、雑誌モデルの玲奈です。」
と、挨拶をされた。
玲奈さんは、威圧的で敵対視
むき出しだった。
私が、黙っていると
「玲奈、紫海は姉じゃないよ。
俺が、ひとりっ子って知っていて、
そんな意地悪言うなよ。」
「あら、そうだっけ。
年が上そうだから
お姉さんかと、ね。」
「いいから、あっち、行けよ。」
「ふん、そんなこと言わなくても
前は、優しかったのに。」
と、言うと
「意味深ないい方すんな。」
と、櫂は怒りなから言った。
彼女(玲奈さん)が、
涙を目にためたから
櫂の袖を引っ張った。
それ以上、言ったらダメの意味で。
櫂は、私の顔を見て頷いた。
すると、山田さんが
「玲奈ちゃん。
マネージャーさんが探してるよ。」
と、言ってくれて
玲奈さんは走って行った。
「ごめんな。嫌な思いさせて。」
「大丈夫だよ。歳上なのは
わかってる事だから。」
「関係ない。紫海の年なんか。
俺は紫海だから。
紫海だけが好きなんだ。」
と、言ってくれたから
「くすっ、わかってる。
ありがとう。
山田さんも、ありがとうございます。」
と、言うと
山田さんは笑ってくれた。
たが、玲奈の言葉は
紫海の心に、大きく響いていた。
やはり、櫂には
あんな風な可愛い子が
あってるのでは、ないかと。