愛する人
七話
✳️✳️櫂
俺は、時間になり
会場に入った。
沢山のテレビカメラ
報道陣の中に海外のメディアも
交じっていた。
カメラのフラッシュの中
俺は、立ったまま
「本日は、お忙しい中
急な会見にもかかわらず
お集まり頂きまして
ありがとうございます。
私事で、ございますが
私、モデル「Kai」は、
結婚いたします。」
と、言うと
凄い、フラッシュと
シヤッター音が
鳴り響いていた。
『お相手は、モデルさんですか?』
『かねてから、噂のあった玲奈さん
ですか?』
『デキ婚ですか?』
『お母様は、何と言われてるので
しょうか』
色んな質問が、飛びかうなか
俺は、会場をみわたして
「彼女は、一般の方です。
凄く綺麗で、キリッとしているのに
どこか抜けている天然で
誰にでも優しくて
色んな人の気持ちを考えすぎて
自分を犠牲にするような人です。
俺より年上なのを
人から言われて
ショックを受けるような
そんな女性ですが」
俺は、テレビ局のカメラを見て
「俺は、ぜってぇはなさねぇからな
待ってろよ。紫海!!」
と、カメラに向かって指を指した。
そして、再度会場を見て
「今日は、本当にありがとうございました。
今から、彼女に
プロポーズしてきます。」
『今からですか?』
という、記者の問かけに
「はい、俺の気持ちを無視して
逃げ回っているので
逃がさない為に
本日は、みなさんを
利用させてもらいました。
申し訳ありません。」
と、深々と頭を下げた。