水色の夢を、キミと。
 





「あ、夏音! そういえばここら辺に新しいカフェみたいなのができたって!」


「へぇ! じゃあ今度行ってみる?」


「いいねいいね、賛成!」






そんな誰もが認めるかっこいい昴にも、こんな子供らしい一面だってある。

いわゆる〝ギャップ〟ってやつかな。


昴のこの子供らしさが無ければ、わたしはきっとこの人と付き合っていない。






「なあ、夏音」


「ん? どうしたの、昴」


「いや、なんとなく呼びたくなって」






そう言ってはにかむ昴。
ちょっと良く分からないけどわたしもつられて笑ってしまった。

こんな人だからきっと今まで付き合ってこれたんだろうな、とかたまに思う。






「夏音、さ。おれのこと好き?」


「……え?」






突然そんなことを聞いてきて少し、というか結構びっくりした。

そんなこと言い出すなんて思いもしなかったから。



普通こういうタイプの人って自分に自信を持ちすぎてる人が多いような気がするんだけど。

……本当に型にはまらない。






「……好きだよ? どうしたの?」






心配なんてしなくても、倉谷夏音はどこにも行かないし。

昴の隣以外に行くところなんてきっとない。





 
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