水色の夢を、キミと。
自分の席に座ると同時にチャイムが鳴る。
普段このチャイムを守る人は少ないけど、やっぱり新しいクラスだからかみんなしっかり守っている。
じゃあまた後でね、と言って月花は自分の席についてしまった。
「あ、倉谷じゃん」
「あ、オハヨ」
前に座っているこの男子も1年のときに同じクラスだった木下くんだ。
確か小学校も一緒だったけど、中学校だけは別になったんだと思う。
それで高校はまた同じになったわけだ。
「なあ知ってるか?」
「ん? 知らないよー」
そう返すと、木下くんは笑った。
返し方が上手かったかな。うん。
そのままひとしきり笑ってから、こっちに向き直って口を開いた。
「なんかさ――――……」
「さあさあ、みなさん。HR始めますよー」
タイミングが最高に悪く、ガラッとドアを開けて先生が入ってきた。
先生って本当にタイミング悪く入ってくる。
「ちょっと、後でな」
「うん」
この先生は私語にうるさい、というのはこの高校で有名だ。
だから話していると即座に注意してくる。
木下くんがそう言うと、お互い口を閉じた。