水色の夢を、キミと。
いつしか近くなっていて、
いつからかこうやってキャッチボールをするようになって。
今では、家族のように近いと言ってもいいほど近い存在だ。
……なんて、余計なことを考えたらボールが下にそれてしまった。
「夏音コントロールわりぃなー、ったく」
「うるさいなぁ! もう!」
朝日の投げたボールがグラブに当たって良い音がした。
この音が好きだからわざわざキャッチボールの相手をしている。
「なあ! 夏音!」
「なに?」
「なんかさ、お前のことが好きな奴がいるんだけど!」
次に朝日の口から出た言葉が意外過ぎて危うくボールを落とすところだった。
それでも持ち直してまた投げる。
「お断り!」
青空に、白いボールがシュッと空を切る。
まだ恋とかそんなの興味ないから、
そんなのお断りだ。
スポーツは割とできるくせに、バカで頭が悪くてお人好しで――。
……朝日はそんなやつだってわかってるし。