青涙
「もう伝えたらいいんじゃない?
そしたらふられるかも…ふられるけど…。

楽にはなれるはずよ」

ふられないですよ…。

「何を…ううっ…伝えるん…うっ…ですか?」

でも…私は伝えないと決めてたんです。


「伝える…うっ…事なんて…

何も…ない…うっ…ですよ…」

「そう…」

「北田…うっ…さんは…伝えな…ううっ…いん…うっ…ですか?」

「私は伝えて、ふられたって言ったでしょ?」

「でも…諦め…うっ…られ…ううっ…ないって…」


『諦められないんです…』


「諦められなかったけど…。
諦められたの。
東間くんを私以上に好きな人に会えたから…」

「本当…うっ…に…今は…ううっ…東間く…うっ…んの事…ううっ…好きじ…うっ…ゃないん…うっ…ですか?」

「本当よ」

本当…かな?


すごく好きだったような気がするんだけど…。

「その疑ってる目は何?
ああ! 中央広場の地面で寝てるから、まだ好きだと?」


「まあ…」

「言ったでしょ?
“寝ると気持ちいいから”って」

「言い…ううっ…まし…うっ…たけど…」

「私、東間くんと全然話してないし、触れてもないわ」

「へぇ……」

「安心しなさい。
私は、とらないから」

「何を…とる…うっ…んですか…」

「とにかく、私はとらないから」

「一応…
分かりました…」

「嬉しい?」

「何で…うっ…私が…ううっ…嬉しい…うっ…んですか…」

「嬉しいでしょ?
嬉しいでしょ?」
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