青涙
へっ…。

「どう…うっ…して…うっ…ですか?」

「全く伝わって来なかったのよ。
私を好きだっていうこう熱い想いっていうのかな…。
言ってる時も真剣な感じじゃなかったし…」

「平太…うっ…は…真剣…ううっ…にってい…うっ…うのが難しい…ううっ…人間で…」

「難しくても、なる時はあるでしょ?
見た事、あるんじゃない?」

『見ろよ』

『分からないだろ』

「あり…うっ…ますけど…」

「でしょ? なれるのに私に告白する時になれなかったって事は、彼は私を…

好きじゃないのよ」

「そんな…」



「彼も本当に好きな人に告白する時は…


真剣にすると思うわ」


『見てみろよ…』


まさか…平太が?

『俺のタイプとは全然違うし』

『北田はスタイルが良いよな』

『おい! 北田が俺に手を振ってるぞ!』

『超うれしーに決まってんだろ!!!』

『あいつ! 何で北田さんと一緒に居るんだ?』

『久々に泣いたわ。
赤ちゃんぶりかな?』

そんなわけない…。

「私…うっ…は…信じ…ううっ…ます…」

信じる…。

「親友…ううっ…だから…」

平太を…。


「ただいまー」

「おかえりー」

帰ってくるとリビングのソファーに座り、ファッション雑誌を読んでいるお姉ちゃんが居た。

「今日、お母さん会社の飲み会で居ないから。
夕飯どうする?
家で私が作って食べる?
それともファミレスにでも行って食べる?」

「その前に…
この前の話の続きをしてよ…」

「この前?」

「“私が…悪い”って話…」
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