青涙
「教えてよ…。
お姉ちゃん…」

お姉ちゃんは読んでいたファッション雑誌を閉じると

それを前の机の上に置いた。

「分かった…。
話すから、座って…」

お姉ちゃんに隣に座るように促されて、言われた通りに私は座る。

「さあ…。
話して…」



「実はね…私…。
東間くんの事…


大好きじゃ…なかったの…」



大好きじゃ…ない?

「どういう…事?」

「好きではあったけど…。
恋愛感情は…なかったの。

大好きじゃ…なかったの…」

そんな…

「嘘…だよね?」

そんな…

「嘘…なんでしょ?」

「ごめん…」

申し訳なさそうに頭を下げるお姉ちゃん…。

そんな…

「ひどい…うっ…」

ひどい…。

「へ…東…ううっ…間くんは…


お姉…うっ…ちゃん…ううっ…の事好…うっ…きだったのに…」


『好き』


「うん…。
彼は本当に…

私の事を大好きだった…」

「なの…うっ…に…お姉…ううっ…ちゃん…うっ…はへ…東…ううっ…間くんを…うっ…大好き…うっ…でもな…うっ…いのに…付き…うっ…合った…。

へ…東間く…うっ…んが…可…ううっ…哀想…」


『好き…』

あんなに…


『好き…


好き…』

あんなに…変人はお姉ちゃんの事大好きだったのに…。

「どう…うっ…して…付き…ううっ…合ったのよ」

大好きでもないのに…何で?

「『一緒に居てくれればいい…』


真洋にそう言われたから…」
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