青涙

『変な事に巻き込んで…ごめんなさい』

お姉ちゃんは卯野っていう人に謝ると、教室から出ていってしまった。

その時、私は声をかけられなかった。

お姉ちゃんの左頬に流れたものを見てしまったから。


「…ってかさぁ。未子が泣いたのって俺のせい…だよな?」

「へい…ううううっ…たが…止ううっ…ううっ…めて」

「それは…お前が行って…泣いたら…余計に事態が悪化すると思ったし…。お前も助けられなかったのに…未子を助けられないなって…。助けたかったよ! 助けたかったけど!」

「それを…ううううっ…振うっううっ…り払わなうううう…かった…。わうううううっ…たううっ…しのせうっ…い…。


助ううっ…けたかううううう…った」

でも、それをしなかったのは助けられる自信がなかったから。

平太が言ったように私が出ていったら、もっと大変な事になって

もっとお姉ちゃんを傷つけたかもしれない。

だから、私はしなかった。

でも…そのせいで

お姉ちゃんを泣かせてしまった。

「わうううううっ…たううっ…しのせうううっ…いで…変ううっ…人なわううううう…たしのうう…ううっ…せいで」

「それは違う」

…へっ?


「変人なお前のせいじゃない」
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