青涙

「気持ち悪いか?」

「うん…」

「だよな」

「でも…。
平太っぽい…ううっ…なって…うっ…思う」

「俺っぽい?」

「うん…。
平太の…うっ…笑顔、気持ち…ううっ…悪いし」

「可愛い笑顔だって言ってんだよ」

「普段の…うっ…笑顔はね」

「可愛い…って思ってるのか?」

「だか…うっ…ら、“普段の…ううっ…笑顔”はね。
私の…うっ…誕生日…うっ…の時に…うっ…贈られ…ううっ…た笑顔は…うっ…作り笑…うっ…顔じゃん。

全然…うっ…可愛くないよ…」

「そっか…」

「だから、作り…ううっ…笑顔…うっ…はしな…ううっ…いで気持…うっ…ち悪いから。
分…うっ…かった?」

「したくないけど。
今のままだとしそうだ…」

「えっ?」

「ハンカチも返さなそうだし…。
このままじゃ…ダメだ。
言わないと…」

「平太…」

「今から言う事は冗談じゃないから。
ちゃんと…聞いてほしい」

「だ…うっ…けど…私」

「分かってる。
分かってるけど…。

こんな俺は嫌なんだ。
だから…頼む。
聞いてくれ」

「分か…うっ…った…。
ちゃ…うっ…んと…聞く」

「よし…。
何か…真剣に言おうと思うと…緊張するな…」

見ると平太の手が緊張のあまりか、震えている。

私はその手をそっと握る。

「大丈…うっ…夫…。

大丈…うっ…夫だから」
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