青涙
確かに…平太が言った通り。

一人で大丈夫だろうか…。

前のクラスの人ともあまりしゃべってなかったし…。

でも、何かするにも一人は不便だし…。

まずは、1年の時の同じクラスの人から仲良くしよう。

2年A組の教室に入ると、早速1年の時に同じクラスだった女子を見つける。

よし…。

「おはよう」

「…おはよう…」

「1年の時に同じクラスだった。
林崎さんだよね?
また同じクラスだね。
よろしくね」

「うん…よろしく…」

よし…言えた…。

「ねぇ…あれって鶴海さんだよね…。
仲良かったの?」

林崎さんの前の席に座っていた女子がたずねる。

「全然。一回も話した事なかったんじゃないかな?」

「なのに、“よろしく”って、何それ…」

「このクラスに友達が居ないからじゃない。
1年の時はずっと十勝っていう男子と一緒だったから」

「友達一人しか居ないの? 可哀想…。
で、仲良くするの?」

「するわけないじゃん。
好きじゃないし」

「ちょっと…聞こえるよ?」

「聞こえても別にいいけど…。
迷惑だし…」

平太…。

私…やっぱり一人じゃダメみたい…。

「ううっ…」

誰か…。

誰か……。

居ない?

すると、突然視界にトイレットペーパーの紙が入る。

これって…。

視線をあげると

「へ…東…うっ…間くん…」

変人が居た。

「悲しい涙…

見たくないんだ…」

違うよ。

この涙は…

今、流してる涙は…悲しい涙じゃない。

「東…うっ…間くん!!!」

ギュッ!!!



嬉しい…涙だ。



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