青涙
「那子! 今日も大好きな餃子作ったわよ。
さあ、食べましょう!」
「ただいま」
「おかえり、お姉ちゃん」
「おかえり…未子…。いらっしゃい…。
真洋くん…」
変人は家に入ってくるなり、自分の家のようにソファーに飛び込んだ。
「未子…。何で…彼を…」
「お母さん。
私が連れてきてって頼んだの。話があって。
お母さんも一緒に聞いてくれる?」
「ええ…」
「鶴海未子さん」
「えっ?」
「東間真洋さん」
「……」
「私、鶴海那子は…二人の交際を…みと…」
私はうつむく。
ダメ…。まだ泣かないで!!
言わなきゃ…。
言わなきゃ!!!
「認めます!!!」
「那子…」
「那子…」
顔を上げて笑顔見せなきゃ。
泣くにしても…笑顔見せながら泣かなきゃ!!!
よし!!
「お姉……」
えっ?
顔を上げたと同時に私は抱きしめられていた。
変人に。
そして
「よしよし…」
と言われながら変人は私の頭を何度もなでた。
「うううううう……」
我慢できずに一気に涙が溢れ出す。
だけど、私は笑っていた。
悲しいけど、
嬉しいから。