青涙
2blue
「次の問題は…好きな歌手は?」

「………」

「ヒントは○○まいだ」

「ちょっと平太! ヒント簡単すぎ!!」

「簡単か?」

「…アフリカマイマイだ…」

「“だ”は要らないし…まいを含めて4文字なんだけど…」

「…タイまい…」

「どこが…簡単なヒントだ?」

「簡単って言ったのは撤回する」

「簡単なヒントだそうか?」

「いや…」

「…いくまい…」

「時間がかかりそうだからいい」

「じゃあ正解を…。
正解は…四士舞でーす」

「誰だか分かる?」

「…知らない」

「聞いた事もないのか?」

「…ない」

「歌えば分かるんじゃないのか?」

「歌えばね。ま~~って私、歌えないから」

「お前、音痴だったな」

「分かってて言ったでしょ?」

「悪いな。俺だったら音痴じゃねぇから聴かせられたんだけどよ。俺、四士舞のファンじゃねぇからさ」

「ファンじゃなくてもデビュー曲の『四士舞』なら分かるでしょ?」

「どんなだっけ?」

「ま~~だから…歌えないんだってば!!
ううっ…」

どこから出したのか、変人がトイレットペーパーの紙を手にしている。

「い…うっううっ…いってば…」

聞き取れなかったのか、無視したのかは分からないけど

変人は私の目から流れ落ちてくる涙を必死に拭き取っていた。

なんか…
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