青涙
「笑顔…。

笑顔…。

笑顔…。

笑顔…笑顔…笑顔…」

「お姉ちゃんは…よく笑うの?」

平太がコクリと頷く。

「お姉ちゃんの笑顔…カワイイでしょ?」

「…いつも」

「それならキレイでしょ?」

「…どっちも」

「そうだね。お姉ちゃんはカワイイキレイだね」

「…カワイイキレイ」

「あっ? キレイカワイイかな?」

「…キレイカワイイ」

ごめんね。お姉ちゃんへの気持ち疑って。

「ごめん」

「………」

また声に出てた?

「ごめんだけど…笑顔以外に覚えてる事ない?」

「………」

「ほら、頑張って思い出して!!!」

「………」

「頑張れ!!!」

「………」

「頑張れ!!! 頑張れ!!!」

「…く…」

「く?」

「…くち…」

「くち?」

「…くち…びる」

「くちびる?」

…くちびる…。

「唇?」

平太がコクリと頷く。

まさか……。

「あんた…お姉ちゃんと……


キス…したの?」

「………」

「キス分かるよね? 魚のキスじゃないよ。
唇と唇が触れあうことで…」

平太が

コクリと

頷いた。

そんな……

「最初にキスしたの…いつ?」

「………」

「思い出して!! 最初にキスしたのはいつなの?」

「………」

「じゃあ…最近したのはいつ?」

「………」

「今日した?」
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