青涙
「…してない」

「じゃあ…昨日はした?」

「…した」

そんな…

「…早くない? いつから付き合ってるのかは分からないけど、1カ月はまだ経ってないでしょ? なのにもうキスしただなんて…お姉ちゃんがカワイイキレイ…キレイカワイイからって…ううっ…」

付き合ってるんだから、そういう事をするのは当たり前かもしれない。

付き合ってるんだから、いつキスしようが別にいいのかももれない。

でも、私はお姉ちゃんはそんな事をする人じゃない。

1カ月も経たないのにキスするわけがない。

勝手に決めつけてた。

お姉ちゃんも恋をすれば、他の人と同じ恋する女になるというのに。

だけど…どんどんお姉ちゃんがお姉ちゃんじゃなくなっていってる気がして

私…寂しいよ…。

「泣かし…うう…て…うっ…ると…思わ…うううう…れるか…うっ…ら。
ううっ…離…ううう…れて歩…ううっ…いて」

駅前だから、人も多い。

私の側に居たら、知らない人達はみんな誤解してしまう。

涙を止めればいいけど、私は出来ないから。

「早…うう…く…離れ…」


えっ?

変人が両手で私の頭をおさえている。

「な…ううっ…に…」

ええ?


そして、変人の顔が私に近づいてくる。

まっ…待って…。

どんどんどん…。

待って…待って…待って…。

どんどんどんどん…。

待って…待って…待って…待って…。

近づいてきて…。

「待って!!!!」

私は大声で叫んだ!!!!
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