青涙


「昨日はごめん…。言いすぎた…。
だから…お詫びにこれ…」

変人にノートを渡す。

「お姉ちゃんの嫌いなもの書いてきたの」

「大事にする…」

「そう?」

「大事にする…
未子の事…」

「今まで…大事に…してなかったわけ?」

「もっと……大事にする」

「うん…。もっと…うっ…大事に…うっ…して…」

「………」

「これ…うっ…はね…。嬉…ううっ…しくて…うっ…泣いて…うっ…るの…。
本…うっ…当…嬉し…うっ…い」

変人がトイレットペーパーの紙を手にする。


「大丈…うっ…夫だ…ううっ…から…」

変人がトイレットペーパーの紙をポケットにしまう。

「…誕生日…いつですか?」

「誕生…ううっ…日? 知…うっ…らな…ううっ…いの?」

変人がこくりと頷く。

「お…うっ…姉ちゃ…ううっ…んの誕…うっ…生日は…4…ううっ…月…」

「…未子じゃない…」

「平…ううっ…太?」

「………」

誰?

まさか…

「……わた…うっ…し?」

変人がこくりと頷く。

「どうし…ううっ…て…」

あっ……。

もしかして……。

「口止…うっ…めする…ううっ…ため?」

「………」

「そんな…ううっ…のし…うっ…なくても、お…うっ…姉ち…うっ…ゃんに…うっ…は言わな…ううっ…いから。
安心…うっ…して」
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