青涙
「那子?」

「なん…うっ…か…嬉し…ううっ…くて…二人…ううっ…がうまく…ううっ…いって…ううっ…て」

「那子……」

「泣き止…ううっ…んでく…うっ…るね」

私は走りだす。


『同じって何が?』

誕生日だよ…。

『誕生日が? 誰か一緒の人が居るの?』

居るよ…。

『誰? 私の知ってる人?』

よく知ってる人じゃん…。


バタバタバタバタ…。

ガチャッ、ガチャッ!!

私だよ…。

「ううっ…うううううう…」

私だよ…お姉ちゃん…。



「ただいまー」

「ただいま…」

「お帰りなさい。あら、二人で仲良くお買い物?」

「うん。真洋の誕生日プレゼントを買いに行ったの。
那子にはそれに付き合ってもらって」

「うん…」

「そうなのー。真洋くんの誕生日っていつなの?」

「明日だよ」

「明日? へっ、嘘。
同じじゃない!!」

「同じって?」

「えっ? 真洋くんの誕生日、明日なんでしょ?
だったら、那子と…」

「お母さん、四士舞の神崎くんの誕生日は明日じゃないよ。お姉ちゃん、お母さんも私と同じ勘違いしてたみたい」

「そうなの?
お母さん。神崎くんの誕生日は9月24日だよ」

「うん…。知って…」

「お母さん!!」

「そうなの? あら、勘違いしてたわ…」

「もう! 那子もお母さんも神崎くんの誕生日間違えないでよ!!」

「ごめん…お姉ちゃん」

「ごめんなさい…未子」

「まぁ、今回は許してあげる。けど、次はないからね」

「うん…」

「分かったわ…」

「あっ私、荷物部屋に置いてくるね」

「うん…」
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