青涙
「那子……どうなってるの?」
「お姉ちゃん…私の誕生日…
忘れてるみたい」
「そんなはず…」
「お母さん!!
聞いたでしょ?」
『同じって?』
「そうだとしても…わざとじゃないわ。
分かるでしょ?
多分真洋くんと付き合って…未子の頭の中は真洋くんの事でいっぱいで…決して忘れてるわけじゃ…」
「お母さん…。
私は…大丈夫だから…」
「那子…」
「あれ? 二人で何話してるの?」
「何って…」
「東間くんはお姉ちゃんが彼女で幸せだねーって話」
「何よ。それ」
「本当にそう思うんだもん。
こんなに想ってくれる人…お姉ちゃん以外に居ない」
「那子…」
「ありがとう…。那子」
「ねぇ、未子。明日の真洋くんの誕生日、うちで皆で祝わない?」
「えっ? いいの?」
「うん。真洋くんってお父さんが海外出張中で家に一人で居るんでしょ。誕生日に一人なんて寂しいじゃない」
「家に一人って…
東間くん…お母さんは?」
「離婚したの」
「そう…なんだ…」
うちと一緒だ…。
「誕生日ケーキ作ろうか?
真洋くんは何ケーキが好き?
生クリーム? チョコ? それともチーズケーキ?」
「どうだろう…。好き嫌いないみたいだし…どのケーキでも喜ぶんじゃないかな?」
「そう? じゃあ…」
「お母さん…」