青涙
『お姉ちゃんが好きな季節って何?』
『私が好きな季節は…
秋…かな?』
『どうして? あっ、涼しいから?』
『それもあるけど…一番は…』
『一番は?』
『大好きな私の妹が産まれた季節だからだよ』
『お姉ちゃん…ううっ…』
『もう、何で泣くの…』
『私…ううっ…も…お…うっ…姉ちゃん…ううっ…が産ま…うっ…うっ…れた季…ううっ…節が…うっ…好き…。
だか…ううっ…ら、冬…うっ…が好…ううっ…ううっ…き』
『あれ? 那子は寒いの嫌いじゃなかったっけ?』
『一…ううっ…番…うっ…好…ううっ…ううっ…き!!!』
私が嘘をついたせいかな?
やっぱり寒いのは嫌いで…。
私が本当に一番好きな季節は秋だから。
そのせいで、私の事…嫌いになって忘れちゃった?
それとも、秋が好きな理由が変人の産まれた季節に…変わっちゃった?
私よりも…大好きになっちゃった?
大好き…同士だね。
『好き…』
『違います…』
悲しいよ…。
変人の隣に居られない事が…。
お姉ちゃんと変人にとって幸せな事なのに…。
二人で居る事を考えただけで…
悲しくて…
苦しくて…
涙が…止まらないんだ…。