青涙
「俺に心配されたくないなら。早く見つけろ。
好きな人」

好きな人なら…もう見つけてるよ。

でも…付き合えないんだよ…。

「私を心配するほど余裕があるんですね?
北田さんは他の人が気になってるみたいなのに」

「魔王の事か?」

「あんた…分かってたの?」

「見れば分かるだろ。気になるんだよ。変人だから」

「はい?」

「俺が最初にお前に声をかけたのと一緒だよ。
俺もお前が泣いてばかりいるからさ。気になって、気になって…」

「あのさ…。彼女が気になってるっていうのはそういうのじゃなくて…」

「だから、大丈夫だ。北田さんが俺の彼女になるのも早い。っていうか、明日にはなってるかも」

同じクラスなのに数回ぐらいしかまともに話した事のないくせに。

そんな自信が一体どこから沸いてくるのか…。

「とにかく…。焦って告白しない方がいいよ…」

「やっぱり一人は寂しいか? 俺が居ないと寂しいか?」

「寂しくないから」

「そうか…。なら、告白するのはもう少し後にしてやろう」

「その方がいいけど…私、あんたに彼女が出来ても寂しくな…」

「俺も寂しいと思うな。
お前に彼氏が出来たら」

「平太…」

「まぁ、大分先の話だろうけどな」

平太…。

本当は私も…。


寂しいって思うかも…。
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