青涙

「那子! いつまで泣いてるつもり?」

「ううっ…分かううっ…んない」

変人の奇怪な行動、平太との言い合いなど、色んな事があった学校から帰ってきて、お母さんと未子を見た途端に涙が溢れだしてしまった私。


「ほら、見て。那子の大好きな餃子。アツアツなのが好きでしょ? 泣き止んで早く食べなさい」

冷麺の次に好きな餃子。

食べたい。

食べたいけど……

「止ううっ…まううっ…らないううっ…ううっ…よおおうう……」

「あら、あら余計泣かせちゃったわね。どうしようかしら……。
未子! 一人だけ黙々食べてないで。どうにかしなさい!!」

「どうにかしなさいって、どうするの? 喜ばせたり、驚かせたりして泣き止まそうとしても、泣き止むどころか、ますますひどくなる。だから、いつもただひたすら泣き止むのを待ってる。でしょ?」

「そうね…。でも、那子が泣いてるのは、未子。あなたのせいでしょう」

「お母ううっ…ううっ…さん」

お姉ちゃんのせいじゃないよ。

未子は手にしていた茶碗と箸を置く。

「何で私のせい?」

「あなたが彼氏が出来た事を那子に隠してたからでしょう!」

「別に隠してたわけじゃない! 最初にお母さんに紹介してから、那子に会わせようと思ってたの!」

「彼氏を最初に親に会わせるのは良い事だと思うわ。私も嬉しかったし…。でもあの日、那子が真洋くんと鉢合わせする可能性を考えなかったの?
それで知った那子が傷つくって考えなかったの?」
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