青涙



「少しは落ち着いたか?」

「…うっ…ん……」

「ほら、これで涙や鼻水とかでてるもん全部拭け」

そう言うと、平太は机の上にあった箱ティッシュを私にめがけて投げた。

「あり…がっ……とう」

それで平太の言われた通り涙や鼻水とかでてるもんを全部きれいに拭き取る。

「お前はさ。未子の彼氏が東間真洋って認められないのはやつが変人だからだよな?」

「そう…名前も変じゃん…。魔王みたいだし…」

「だな。…じゃなくて。認められないのは
もう未子を変人で困らせたくないからか?」

「うん…」

当たり前じゃん…。


『おい、こいつまた泣いてるぜ』

『またかよ』

『いつも泣いてるよな?』

『赤ちゃんみてぇ』

『てか、赤ちゃんじゃねぇ?』

『『『赤ちゃん!!! 赤ちゃん!!!』』』

『うっうっ…うぇーん』

『“うぇーん”だってよ』

『本当に赤ちゃんじゃん』

『うけるー』

『おい! こいつは赤ちゃんじゃねぇよ!』

『へ…うっ…うっ…いた』

『じゃあ、何だよ!』

『ちょっと変わったやつだ!』

『それって変人ってことじゃねぇ?』

『そうだ! 変人だ!』

『じゃあ……』

『『『変人!!! 変人!!!』』』

『うっうっうっうっ…うぇぇぇーん』

『こら、あんた達うちの妹を何泣かせてんの!!
平太、助けに行ったんじゃなかったの?』

『そのつもりだったんだけど……』

『もう、何やってんのよ!!』
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