青涙

「私って…スタイル良いし…」

「ああ…」

自分で言うんだ…。

「だから私…モテるし…」

「ああ…」

そうなんですか…。

「そのせいで、男子達から体中…
じろじろ見られて…」

自意識過剰じゃ…。

というか、ずっと見てたのって平太だけな気がするけど…。

「まぁ、こんな体だから…仕方ないじゃない」

嫌じゃないんだ…。

「でも、彼は…私が近くに居ても、遠くに居ても。
私の体を一切見なかったの」

他の男達もわざわざ遠くまでは見てないんじゃ…。

「そんな男は…
彼が初めて…」

「なるほど…。
だから、好きに…」

「それだけじゃないの…」

それだけじゃないんですか…。

「彼は身をていして
私を守ってくれたの…」

変人が?

「私が自分の席に座り、本を読んでると…。
近くから男達の会話が聞こえてきたの。
『北田ってスタイル良いよな』
『ええ…そうか?』
『そうだよ。ちゃんと見ろよ!!』
『見ろって…座ってるから、スタイル良いか分かんねぇよ』って」

変人以外にも見てない人居たじゃん。

「だから…私…。
立ってあげたの」

立ったんだ…。

「そしたら男達が
『ほら、良いスタイルだろ?』
『…そうだな』
『だろ?』
なんて会話しながら、私の体をジロジロ見てたの…」
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