青涙
『鶴海のお姉さんですか?』

『こいつ、変人なんですよね?』

『だから、俺ら“変人”ってただ言ってただけですよ』

『確かに変人よ』

『うっ…お姉…』

『おい! お前も助けるんじゃないのかよ!!』

『だから何?
変人だろうが何だろうが、那子は私の大切な妹なの!
大好きなの!!!』

『変人が大好きって…変人のお姉さんもやっぱり変人なんだな…』

『…だな?』

『…うけるー』

『そういうなら、変人をからかうのが大好きな変人と同級生のあんた達も変人ってことよね?』

『ちげーよ!!』

『お前らと一緒にすんな!!』

『そうだ!! そうだ!!』

『変人! 変人! はい、平太も一緒に!!』

『おう!!』

『『変人!! 変人!!』』

『『『うるせーよ!!!』』』

『言われると、嫌な気持ちになるでしょ?
あんた達はそれを那子にしてるんだよ』

『『『………』』』

『分かったんだったら、二度としないで!!
ちゃんと謝って、さっさと家に帰りな!!!』

『『『すいませんでした!!!』』』

そう言って頭を下げて謝ると、私をからかっていた男子達は足早に去っていった。

『未子。すげぇこええ…』

『平太、あんたもだよ!!』

『すいませんでした!!!!!』

平太も彼らと同じく頭を下げると、全速力で走って帰っていった。
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