青涙
「うん。
初対面で番号交換したから」

「へぇ…」

早っ!

お母さんが変人に電話をかける。

「出ないわね…。
もう一回かけてみるわ…」



「だめね…。
出ないわ…」

「そっか…」

「ねぇ…那子…。
まさか…わ…。
いや…あり得ないわね」

「そう…うっ…よ。
あり得…うっ…ないわ」

お姉ちゃんと変人がわ…


そんなわけない…。


「おはよう。
お母さん」

「おはよう」

「お姉ちゃんは?」

「会ってないわ」

「まだ部屋から出てきてないの?」

「出てるわ」

「なら…」

「でも…もう学校に行ったみたい」

「朝ご飯も…食べずに?」

「ええ…。弁当も持たずに。
初めてね…」

「私も学校に行く…」

「朝ご飯を食べてからね」

「いいよ。途中でコンビニよって、おにぎりとか買って…」

「食べなさい!!
食べて…弁当を持っていくのよ?」

「はい…」


「行ってきます」

ドアを開けると、人が居た。

「平太?」

「よっ!」

「おはよう…。
どうしたの?」

「どうしたの?
じゃないだろ…。
何で、昨日俺を置いて帰ったんだよ。
待ってるって言ってただろ?」

「待ってるつもりだったけど…
出来なくて…」

「魔王のせいか?」

「それは…」

「あら。
平太くん?」

「おばさん。
おはようございます」

「おはよう」
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