青涙
「じゃあ…誰を…」

「平太と仲良くて嫌だった…」

「何?」

「二人で居たかった…」

「何の…うっ…事?」

「邪魔されたくなかった…」

「何の…ううっ…話を…うっ…して…うっ…るの?」

「離したくなかった…」

「東間…ううっ…くん!!!」

「悲しい涙…

見たくない…」

「東間…うっ…くん…」

変人は振り返ると私に近づいてきて

どこからか出したトイレットペーパーの紙で

私の頬に流れる涙を拭く。

そんな…。

そんな…。

「ううっ…ううっ…」

「呼んで…。

那子…。


呼んで…」

「うううううう…。
ううううううううう…」

変人は

にこっと笑うと

私を置いて去っていく。

私も…

私も…

「待っ…ううっ…て!!」

好き!!!!

「真洋!!!」

変人は一瞬立ち止まるが

振り返る事なく

去っていった。


「あり…ううっ…がとう…。」

好きになってくれて…。

「ごめ…ううっ…んな…うっ…さい」

側にいれなくて…。

「ごめ…うっ…んな…うっ…さい」

お姉ちゃん…。
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