青涙
平太は何も変わらず。


私は未だに…



あいつを好きなままだ。

「1限目が体育とかマジやる気出ねえ」

「しっかりしなよ。
ちゃんとやらないと、校内30週させられるからね」

「それは困る。
那子、やる気出させてくれ」

「ビンタ30回ぐらいしてあげようか?」

「それならやる気出さないで、校内30週するわ」

「痛くないって」

「ビンタは痛いだろ」

「痛いけど、私のはそんな痛くないって」

「そんなって…。
痛いんだろうが」

「痛いけど…」

「断る」

「そんな痛…」

「断る!!」

「一発…」

ダッ!!!

「あっ!
逃げんな!!!」

本当にそんな痛くないんだけどな…。

グラウンドが目に入る。

グラウンドの側にあるあの大きな木…。


思い出す…。


あれは…変人?

グラウンドの側にある大きな木の下に

変人が上を見上げて立っている。

何…してるの?

まさか…噂になった…。

変人が木に足をかける。

木に登る気!?

『ちょっと!』

私は急いでその木に駆け寄ると、登っていこうとしている変人に声をかける。

『何してんの?
降りて!』

『……』

変人は降りる所か登り続ける。
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