恋の歌が響くとき
「おはよう凛。っていうか、どうしたのこれ」
「あのね、昨日帰りに買い物してたんだけど、その途中でみつけたの!これ絶対零ちゃんに似合うと思って。だからプレゼント」
とろんと溶けるような笑みを浮かべてそう言った凛は、包みを私に手渡すと嬉しそうに開けて!と開封を促して来た。
その愛らしい笑顔にあっさり根負けし、包みを丁寧に開けると中から出て来たのはシルバーのブレスレットだった。さすが凛、センスがいい。
「可愛い。でも高かったんじゃない?本当に貰ってもいいの?」
「もちろん!」
凛はたまにこうやって私にプレゼントをくれる。
値段など関係なしに買ってきてくれるものだから最初は驚いて断っていたのだが、これには真っ当な意味があるのだと知ってからはなるべく受け取るようにしていた。