恋の歌が響くとき
きゃーっと騒ぐ凛を宥めていると、クラスにいた女の子たちが集まってきた。
「なになに?凛ちゃん嬉しそうだね」
「そうなの!見てー!零ちゃんが指輪くれたんだ」
「あ、これ三河(みかわ)さんがいつも着けてたやつじゃない?いいなあ。可愛いよねその指輪」
イマドキの女子高生っぽく騒ぎ出した凛は今やクラスの人気者で、昔とはかなり変わってきているようだった。そりゃそうだよね。
凛は可愛いくていい子で、何より友達思い。誤解さえされなきゃこんなふうにクラスの中心にいるのが当たり前だったのだろう。よかったね凛……と母親のような心境で目に涙をためていたとき、一人の女の子がこんなことを言い始めた。
「指輪といえばさ、川辺君からも貰ったりしたんじゃない?」
その名前にドキリと胸が音を立てる。川辺君って空のことか。