恋の歌が響くとき

「凛は空のこともちろん大好きだよ。どこが好きとか、あんまり考えたことないけど……空はね、凛にとって怖い人たちから守ってくれる騎士(ナイト)様なの。ずっと凛と一緒に居てくれて私を好きでいてくれる空が、凛は大好きなんだ」


ナイト様だってー!きゃーっと黄色い声をあげる女の子たちを横目に、痛い、苦しいと悲鳴を上げ始めた胸をぎゅっと押さえた。


やっぱり――そうだよね。二人の間に入り込むことなんて、私が空に気持ちを返してもらえることなんて一生ないんだ。


空は凛のこと「妹みたいにしか思っていない」なんて言っていたから、愚かな私は「もしかして」を心のどこかで期待してしまっていた。けど、いま僅かに残ってた希望の光さえ潰えてしまった。凛は私にとっても大切な友達だから。


そんな凛を悲しませるようなこと――していいはずがない。



ああ、もう頭混乱してきた。こうなったさっさと音楽室に逃げ込んでしまおう。


 
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