恋の歌が響くとき
「零、さっきのは本当、なのか?」
「ごめん、空、わたし」
なんて言えばいいか分からない。
ここはちょっと頭を整理してきてから、改めて話さなきゃ今の私は何を口走るか分からない。目から涙が流れてしまったのを感じ、パッと空に背を向けた。
「零」
「ごめん、ごめんね空。空には凛がいるって、ちゃんとわかってる。私、時間はかかるかもしれないけど絶対にちゃんと忘れるから。だからっ……今はまだ好きでいさせて」
そう言いたいことだけ口早に放り、その場から逃げだそうとしたのだが咄嗟に腕を掴まれてしまった。
「零、落ち着けって」
「嫌だ、離してよ空」
「離すわけねぇだろ。零、大丈夫だから。泣くなって」