お前は必ず、俺を好きになる。
一瞬で渚の眉間には深い深いしわができて。



「あ゛?」



ほら、怒ってる。



「渚くんも午前は一毅たちとボウリング!」




「その日、たしか柚葉午前だけ学校に用事あるんだよね!」




「俺より大事な用事なんてあんの?」




私を抱きしめる体勢のまま顔を覗き込んでくる渚。私はそっぽを向いた。




「いいだろ渚、午前は俺らとあそぼーぜ!」




私の頭の中では、午前中に彩葉たちとチョコを作って、午後に渚と一緒に映画館に行く予定だったんだけど……




「柚葉……だめ?」




こんな時に限って可愛くお願いしてくる渚。

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