お前は必ず、俺を好きになる。
「だっ…だめだよ!!渚と出かける前にやらなきゃいけない事なの!!」




その瞬間、私を抱きしめる渚の腕からフッと力が抜けた。



「じゃあもういい。デートなんかしない」




少し悲しそうな顔をした渚はリビングを出て行った。




「渚!」




純くんと一毅が後を追い、彩葉たちは私を囲む。




「落ち込まないで、ユズ!渚くんはバレンタインだってわかってないのかもしれないし!」




「そうだよ、渚くんだってきちんといえばわかってくれるでしょ!」




みんな励ましてくれるけど……なんか、胸の奥がずきずき傷んでる。




「私コンビニ行ってくる」




私は何も持たずに家を出て行った。

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