お前は必ず、俺を好きになる。
【柚葉side】
「はぁ……」




コンビニに行くとか言って、お金もスマホも全部家に置いてきてしまった私はふらふらと近くのショッピングセンターに。




徒歩で来れる距離とはいえ、15分ほど歩いたから休憩がてらお店を見て回って。




でも、バレンタインの飾りばかりだから結局むなしくなってしまう。





「おいしそう…」




本屋さんの店頭に置いてあったバレンタイン用スイーツの本。表紙はガトーショコラで、つい手に取ってしまう。




ついさっきまで、渚はどんなお菓子をあげたら喜ぶかな、とかばかり考えていたのに、急に考えることがなくなってしまって。




「渚……」




そんな時、頭にフラッシュバックするのは渚との思い出。




林間学校、体育祭、合宿……あげきれないほどたくさんの思い出があって、全部大切なんだ。




「……かえろう」




帰って、渚に謝ろう。仲直りして、一緒にデートの行先を決めよう。




とにかく……渚に会いたい。

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