お前は必ず、俺を好きになる。
この声、この香り。まさか……




「な…ぎさ…?」




「走んなよ、昨日貧血で倒れたばっかだろ?」




たしかに、昨日は貧血で倒れて早退したな……って違う!




「なんで…?」





怒ってたんじゃなかったの?





「ばか……柚葉」





ギュッと抱きしめられて、私は息を整える。





「ごめん……バレンタインってこと、忘れてた」





純くんと一毅…私が午前中にチョコ作るって渚にばらしたの!?




「午後から出もいい、柚葉と一緒にいたい」




「渚……すき」




「俺のほうが好きだっての」




「わ、私だって負けないもん」





「もう……可愛すぎ」




チョコよりも甘い口づけをかわし、私たちは手を繋いで相合傘をして帰った。

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