お前は必ず、俺を好きになる。
「やばいやばいやばいやばい!!ひろいひろいひろいひろい!!」



「莉子、ほかの人の迷惑になるから走らないでよ!」




「だーいじょーぶー!9階と10階はうちの学校が貸し切ってんでしょ?」




いやそう言う問題じゃなくてさ……?




私は廊下を走る莉子たち3人の背中をボーっと見つめる。



「あれ?」




彩葉が足を止め、ぱっと後ろを向いてずんずん歩いて戻ってきた。




「彩葉?」




ピタッと私の前に立ち止まり、俯いていた顔をぱっと上げた。

それも、真剣な目で。




「あや「柚葉、知ってる?」




「え?」




「高校二年生の、ううん…… ‟修学旅行” は、今しかないんだよ?渚くんや学年みんなと行ける旅行だっていましかない。今楽しまないでいつ楽しむつもり?」




「でも……」




「文句は受け付けません!!いくよ!!」




彩葉にグイッと手を引かれ、私も一歩前に出る。



「うん!!」




そのまま走って莉子と美愛の元へ。




「おっ、ユズも元気出た?楽しまなきゃ損だよ!!修学旅行費用の元とんないとね!!」



「ちょっと莉子、食べ放題じゃないんだから」




莉子の一言で、余計に遊ぶ気がわいてきた。




「よーし、時間いっぱい遊ぶぞー!!」




「「「おー!!!」」」




私たちは再び廊下を走り始めた。

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