お前は必ず、俺を好きになる。
「彩葉、髪の毛やってくれない?」




「まかせて!せっかく渚くんと同じ班だもんね~」




「え、夏にも海は行ったじゃん?」




「あのときは柚葉ぜんぜんパーカー脱がないし、髪の毛巻いてあげるって言っても断ったじゃん!いつも通りが一番だ、とか言ってさ!」




そう言われてみれば、確かに渚の前で水着なんて無理!!って感じだった気が……




「5月だけどここは沖縄!観光客は多いんだから!美人のお姉さまだっていっぱいいるんだよ?渚くんがほかの女の人のとこいっちゃったらどうすんの!?」




「そ、それは……やだ」




想像するだけで泣きそうになって、うつむいたままぼそっとつぶやく。




「でしょ!?だったらかわいくすべき!!莉子、美愛、メイクは任せた!!」




「「はーい!!」」




「え、ちょっと、泳ぐんだからメイクなんてしても意味なくない!?」




むしろパンダ目とかになったらからかわれる。




「もー、なんのためにウォータープルーフがこの世に存在するの!?」




「ユズは美容にうとすぎるよ!!」




……わるかったねえ、うとくて。




「ナチュラルにするからさ!!はい、椅子座って!」




結局私はされるがままにメイクを施された。




「はい、完成!!」




「われながら完璧!!って言うよりやばい!!素材がいいからめちゃめちゃかわいいじゃん!!」




「柚葉、これで渚くんは柚葉に夢中になるよ!!目を離せないくらい!!」




お母さんに似てまっすぐなストレートの私の髪の毛は、彩葉によってくるくるのふわふわに。



顔も別人のようにキラキラしてる。




「泳ぐから巻いてから結んでみましたー!」




「さすがアヤ!さ、泳ぎにいこう!!」




私たちはそれぞれ今年買った水着に着替え、上から私服を着て部屋を出た。




「渚たちもこれからエントランス降りるって!カウンターの前で待ち合わせ」




「了解」




四人でエレベーターに乗って一階に降りた。

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