お前は必ず、俺を好きになる。
ピピピと電子音が鳴り、仏頂面でん、と手を出した渚に体温計を渡す。



その瞬間、渚はこれでもか!ってくらい顔を歪めて。



あれ、やっぱり熱なかったんだ?とか思っちゃったんだけども。



「はぁ~……」




肺活量やば!!って思うほどながーいため息をついた渚は次の瞬間、鬼の形相でギロッと私を睨んだ。




「はぁ……」




そしてもう一度ため息をつくと、リビングを出ていった。




当然私の頭にははてながいっぱいなわけで。




「渚?」




今まで史上最高に理解不能だった。
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