夏、夢、そして君。
黒のロングヘアーをポニーテールにし、背は凛と伸びて堂々としていて…。
俺には未来にしか見えなかった。
俺はたまらず声をかけた。
「…未来!久しぶり!!」
俺は彼女の肩を叩いた。
彼女はゆっくりと振り向いた。
その顔はあの時の未来を少し大人っぽくした感じだった。
未来の面影がある顔だった。
彼女は一瞬目、目を見開き驚いた顔をした。
が、すぐに無表情になってしまう。
「…どちらさまでしょうか?」
がーーーん
まさにそんな効果音が頭の中でした。
未来じゃないのか?
いや、ぜったい未来だ。
未来は俺のことは絶対に忘れないはず。
俺は未来のこと忘れた時なんて1度もない。
なのに未来は俺のこと忘れてる?
「え、俺だよ!斉藤架だよ!」
「知らない。私に話しかけないで。」
未来らしき彼女は怒ったようにその場を立ち去って行ってしまった。
「あれって確実に未来だったよね…。」
「でも、架のこと知らない未来ちゃんなんて僕らは知らないよ…。」
慧と裕貴は一部始終を見ていたらしく俺を慰めに来た。