夏、夢、そして君。
「未来(みらい)!はやく練習行くぞ!!」
「ちょっとまってよ、架(かける)!」
これは小学5年生の頃。
毎週土曜日は近所の少年野球チームの練習日だ。
私、木下未来(きのしたみらい)もその少年野球チームの一員だ。
「わぁ…。今日もよく晴れたねぇ!架!」
「すっげぇいい天気!野球日和だ!!」
歯を見せてニカッと笑うこの少年は斉藤架(さいとうかける)。
私と同じ少年野球チームに通っていて幼なじみで1番の親友。
男とか女とか関係なく私たちは本当に仲が良かった。
「やっべ!もうこんな時間だぞ!走るぞ!未来!」
「うん!」
私はこの頃からきっと架のことが好きだったんだと思う。
一緒にいすぎできっと気づかなかったんだ。