夏、夢、そして君。


「よぉぉーし!今日の練習は終わり!ついに明日は地区決勝だ!ここで優勝できれば県大会に初出場だ!!」

土曜日の夕方、いつものように少年野球チームの練習が監督の声で終わった。
6年生の表情はみんな固く、気が引き締まってるように見える。
明日は地区決勝。
ここで優勝できれば県大会に進める。
小学生最後の夏にみんな熱を注いでいた。

「よし、今からスタメンを発表する。」

-ごくっ--

6年生全員がつばを飲み込んだ。
6年生は全部で13人。
そのうちスタメンで出れるのは9人だけ。
みんなこの日のために必死で練習したんだ。

「…1番、斉藤架!」

やっぱりね。
架は3年生の頃から試合に出ていて絶対的エースだ。

「2番木下未来!3番、、4番 、、、5番、、、」

私の名前が呼ばれた。
とても嬉しかった。
チームに女子はひとりしかいなかったから男子からスタメンをもぎとれたのがすごく嬉しかった。
しかもずっとずっと頑張って練習し続けたキャッチャーだ。
嬉しかった。
架とバッテリーを組めることが。


「以上、9名!明日は全員で勝ちに行くぞ!解散!」

「「「「はい!!」」」」

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