意地っ張りの涙（仮）
顔を見て
今日から普通に授業が始まる。
昨日の夏目に対して可愛くない言い方をしてしまったことが私の気分を降下させていた。
家の玄関を開けると里緒菜が待っていてくれた。

「おはよ、茜」
「おはよう、里緒菜…」

笑って挨拶をしたつもりだったけど里緒菜から

「無理しなくていいよ。昨日のこと引きずってんだ？」
「うっ！」

図星を指されて涙ぐむ私の頭を撫でながら

「年々、意地っ張り度が上がってんな」

返す言葉も見つからない。

「特に夏目には…か？」

撫でる手を止めて私に聞く里緒菜。

「思うより先に言葉が出てるから…どうしようもないよ」

そう言うと里緒菜は少しため息をついて小さく何か言った。

「きっかけがあれば少しは変わるか…？」


首を傾げて里緒菜を見ると、「何でもないよ」とだけ返されて学校への道を歩き出した。

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