意地っ張りの涙(仮)
今はバッサリと髪を切っているし、スカートを履いていないと女の子かわからないかも。

「【里緒くん】でいいんだ?」

生温い目で里緒菜を見てしまいながら問えば

「もちろん!茜も是非とも里緒くん「遠慮しとく」と…」

間髪いれずに断るとシュンと項垂れる里緒菜を見た周りがざわつき始めた。

(女の子たちの目が恐い…!)

どうしたもんかなぁと頭を悩ませていると

「はよっす!茜に里緒菜。…なぁなぁコイツどした?」

能天気に私たちに挨拶する凌平。でも凹んでる里緒菜が気になるらしく私に声を掛ける。

「おはよう、凌平。私が【里緒くん】呼びしないのがどうやら悲しいらしいよ」

理由を教えるとケラケラと凌平は笑い、「しょーもねぇなぁ!」と言った時には里緒菜に頭を叩かれていた。

クスクスと笑っていると

「楽しそうだな。柊、おはよう」

隣を見なくても分かった。夏目がいつの間にか来ていた。

「おはよ……」

顔も見ずに挨拶だけ返してしまった。
昨日に引き続き、今日も可愛くない態度しか取れない。






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