意地っ張りの涙(仮)
とりあえず気分を切り替えないと。
委員を何にするか考えよう。

学級委員は絶対にやだ。面倒だし雑用が多そうね。
あまり仕事のなさそうなのがいいなぁ…。

考えていると徐々に埋められていく委員の欄。

あ、保健委員とか特にすることなさそうかな?
そう判断した私は、「次、保健委員になりたい人」と言われた時に素早く挙手した。

「おっ、早いな!んーと、柊か?他に居なさそうだし女子は決まりでいいだろう」

運良く他になりたい人もいなかったようですんなり保健委員になることができた。
男子は決まってないようだったけど、特に興味もなくぼんやり皆のやり取りを見ていた。

「俺、保健委員やる」

そう言って、ガタンと席を立ったのは隣の夏目で…。

(嘘でしょ…!?)

夏目が立候補すると思わなかったし、決まってなかったのにも気づかなかった。

「他もいないみたいだな!良し、男子は夏目…と」

黒板に私と夏目の名前が書かれたのを見て、思わず隣の夏目を見ると……夏目も私を見ていた。

何も言えずにいると、そっと目線を外されて。


私も気まずくなってしまい、夏目から黒板へと顔を向けたのだった。

< 16 / 77 >

この作品をシェア

pagetop