意地っ張りの涙（仮）
ピピッピピッピピッ

遠足の当日、カーテンを開ければ憎らしいほどの快晴だ。

「雨降らなかったか…」

前日に天気予報を確認して【晴れ】であることは知っていたが、まさかの快晴である。
体操服のジャージを着て歩く……拷問だな。
少し遠い目になりながら準備をして朝食へ。食べ過ぎても食べなさすぎてもしんどくなりそうだ。


「行ってきます！」

私の声が聞こえた母から「いってらっしゃい」と廊下に顔を出して答えてくれた。
ドアを開ければいつもと同じく里緒菜が待っていた。でも今日は凌平も一緒に待っていてくれた……欠伸しながら。

「おはよう、里緒菜に凌平」

苦笑しながら挨拶すれば

「おはよう、茜！」

と爽やかな笑顔で里緒菜が挨拶を返してくれた。

「ふわあ～あ、おはよ」

大きな欠伸と共に挨拶されたが、里緒菜の一撃を食らって頭を抱えて悶絶する凌平。

「さあ、行こうか」

凌平の存在をスルーして里緒菜が私を促す。
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